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国際女性デーだそうで。

 こんにちは。しばらく前からパンテオンの正面に写真のような大きな幕が掲げられ、なんだろかと思って見てみると、3月8日の世界女性の日(journée internationale des femmes)にちなみ、フランスの歴史に名を刻んだ9名の女性の肖像を掲げる幕でした。考えてみれば、パンテオンはフランスに貢献した偉人を顕彰する場なので、確かにこのようなものがふさわしいように思います。パンテオンのファサードには、''Aux grands hommes la Patrie reconnaissante''と大きく刻まれていますが、今回の幕には''Aux grandes femmes la Patrie reconnaissante''とあります。

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 今回肖像が展示されている9名とは、ジョルジュ・サンド、シモーヌ・ドゥ・ボーヴォワール、マリア・ドゥレスム、オランプ・ドゥ・グージュ、コレット、ルイーズ・ミシェル、マリー・キュリ、ソリチュード、シャルロット・デルボといった人々です。サンド、キュリ夫人(少なくともこの人は夫とともに既にパンテオン入りしている)、ボーヴォワール、コレットといった人々は一般に知られていますし、フランス革命期に女性の権利を主張したグージュは、日本の著名な憲法学者による研究があるので、この業界の人には知られているかもしれません。しかし、その他の人々は恥ずかしながら初めて聞く名前でしたので、どんな人物か調べてみようと思っていたら、パリ市のページに紹介がありました。

 それによると、デルボは、第2次大戦中レジスタンス活動に従事するも逮捕され、アウシュヴィッツに送られたが生還し、戦後はその記憶を伝える文筆活動に携わった人だそうです。ソリチュードは、1772年頃にグアドループに奴隷の娘として生まれた人で、奴隷解放運動のヒロインとなりました。19世紀の政治家・ジャーナリストであるドゥレスムは、フェミニズムの代表的人物であり、共和主義・反教権主義の女性政治家の代表的人物だとのこと。ミシェルは、革命主義アナーキストで、パリ・コミューンに参加してニューカレドニアへの流刑となるも、帰国後も活動を続け、さらに投獄されたりした人物です。この人の名をとったメトロの駅がありますね。

 女性の地位に関しては、つい最近の日本の報道でも、衆議院における女性議員比率は9.4%で世界105位というのがありましたが、同じ統計によればフランスは18.2%で64位と、決して優等生ではありません。しかも、フランスの場合、女性議員比率を高めるためのクォータ制(1999年の憲法改正で追加された憲法第3条第5項)を導入していることに注意が必要です。
 ただ、日常生活の中でフランス人の様子を見ている限りでは、身なりや振る舞いなどのレベルでは、「女性だから女性らしくすべきだ」という感覚は日本と比べると少ないのかもしれません。まあ、まったくの主観にすぎませんが。

 

 


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