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統一地方選挙

 3月9日と16日には、市町村議会選挙と県会議員選挙(半数の改選)、さらにパリなど大都市では区議会議員選挙の第1回、第2回の投票日でした。フランスでは同じ選挙について2度投票を行うのが伝統であり、1回目で過半数を獲得しない限り、2回目の決選投票(バロタージュ(ballotage))に持ち込まれます。もっとも、大統領選挙や小選挙区制の下院議員とは違い、市町村議会選挙は複雑な比例代表選挙制であるため、制度が分かりにくいところがありますが、在日フランス大使館のサイトで分かりやすく説明してくれているので助かります。そこにも書かれていますが、フランスの場合、市町村長は直接公選ではなく、議員の選挙後、市町村議会で選出されるので、今回の選挙は実質的には市町村長、さらにはパリなどの区長の選挙でもあるわけです。
 パリの場合、社会党に属する現市長ベルトラン・ドラノエ氏と、右派のUMPに属する下院議員フランソワーズ・ドゥ・パナフュ氏とが2大市長候補ということになっていますが、先日紹介したヴェリーブや、夏場にセーヌ河岸に砂を敷くなどしてビーチをつくるパリ・プラージュなど、ユニークな政策を打ち出した実績を誇る現市長の人気はなかなか高いようです。結局、第2回投票で、パリでは社会党が記録的な得票率でドラノエ氏が勝利しました。全国的にも、公私共に活発に活動していることはよくわかるものの結果がなかなか出ないサルコジ大統領に対する批判か、社会党が勢力を伸ばしました。
 地方選挙とはいえ、市町村議会議員、県会議員、そして実質的に市町村長を同時に選挙するわけですし、さらにはフランスでは多くの国会議員が市長等を兼職しているので、有力国会議員は選挙の当事者でもあり、国政への影響も大きいということで、報道の盛り上がりはかなりのものがあります。個人的にも、大統領選挙と下院議員選挙が去年行われたばかりで、滞在中に行われる大きな選挙としては今回が唯一のものとなるだろうだけに、選挙運動の様子などもそれなりに関心を持ってみておりました。
 選挙運動の様子で日本とまったく違うのは、街が静かなことです。日本のような選挙カーが走り回ることもなく、街頭演説も見たことがありません。普段と違うのは、辻々に設置された選挙ポスター用のパネルや、ビラを配る運動員の姿くらいでしょうか。運動員も、日本のように派手なジャンパーを着たりノボリを立てたりということはなく、自然体でビラを配っています。候補者は、マルシェなど人の集まるところを練り歩いたり、屋内の集会を開催することで運動をしているようです。せっかくなので一度くらい集会に行ってみようかと思ったのですが、面倒がっているうちに機会を逃してしまいました。
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 選挙のビラもいくつか入手しましたが、例えば、ドラノエ氏のビラでは、「2014年までにパリで排出される温室効果ガスを15%削減する」「緑地を30ヘクタール分増やす(候補地も具体的に明記)」など、現職市長であることもあるのでしょうが、かなり具体的な政策が明記されているように思われます。
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