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大学紛争も続いています。

 最近はフランス社会で盛り上がる紛争ムードをお伝えしていますが、労働争議の陰で、大学紛争も続いています。大学の学年末(5月)が迫り、期末試験の時期が近づいているのですが、大学によっては2月の後期開始以来、講義が中断したままのところもあるようです。今週の高等教育省の発表によれば、全国83の大学のうち、約10の大学は大幅に混乱しており、ほかの15ほどの大学でも一定の混乱が見られるということのようです(写真は2007年秋の別件でのデモの様子(パリ5区サンミシェル通り))。
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 今回の紛争は、研究者教員の管理を強化する政令をめぐる政府と大学教員との対立に端を発したものですが、今に至るも両者とも譲歩せず、解決のめどが立っていないのが現状のようです。それどころか、最近は抗議行動がエスカレートする気配を見せており、今週はレンヌとオルレアンの大学で、それぞれ学長が監禁される事件がおきたり、マルセイユで100名以上による校舎侵入・破壊事件が発生したりしています。
 そういえば、シアンスポでも部外者が講義に乱入したりする事件などが3月末にあり、最近は入り口で学生証・職員証のチェックをしています。しかも、17時ころ、突然あと10分で校舎を閉鎖するから今すぐ帰れと言われたことも2,3度ありました。1度は、別の建物で講義をして帰ってきたらもう閉鎖するから入れないといわれたこともありました(何とか荷物を取りに入ることはできましたが)。
 ところで、このままストが続けば、今学期が全く無駄になってしまう可能性も出てきます。そこで、右派系の学生団体は、即時の講義再開と週末も含めた補講を要求したりしています。また、ある主要な学生団体の責任者も、試験の延期などを求めているようです。一部には自動的に単位を認めてはどうかという意見もあるようですが、混乱の責任者として批判されているペクレス大臣も、学生団体側も、この点には反対しています。
 こうした抗議行動ですが、やはりフランスというべきか、学生にもそれなりに支持されているようです。講義がなく自習しなければならないとか、単位がどうなるのか心配だという声ももちろんあるのですが、それでも抗議行動に参加する学生は多数いるようです。新聞にはソルボンヌで地理学を専攻しているという女子学生の声が掲載されていました。彼女は、後期開始以来全く講義がない中、真面目に試験の準備をしているそうですが、「私は先生方を信じています。先生方は私たちのためにストをしているので、私たちに悪いようにはならないはずです」。夏まで混乱が続くという最悪のシナリオに対しても、彼女は、試験という短期的なことではなく、擁護されている大義を考えるべきだという涙の出るようなことを述べています。
 他方で、やはり混乱の続く大学には悪影響があるようで、レンヌの大学では、今回に限らず近年紛争が多発しているとのことですが、学生数が減少するなど、イメージの悪化が深刻だという報道がありました。
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