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憲法院も50周年

 リールに引き続き、パリ政治学院(シアンス・ポ)というところで講義をすることになり、今週は2回目でした。リールとは違い、こちらは正式の講義であることなどで中々大変で、まだいまひとつ軌道に乗っていない感じがします。
 ところで、フランスで違憲立法審査を担う憲法院(Conseil constitutionnel)がこのたび創設50周年を迎えたということで、3月5日には記念行事が行われるとともに、記念切手が発売されました。先日の記事でも紹介したように、現行第5共和制憲法が50周年ということですので、同憲法によって創設された憲法院も50周年というわけです。切手については、日本の友人の情報提供を受けて、この日にパレ・ロワイヤルにある憲法院入り口ロビーで行われた特別販売に行ってきました。
 すると、黒山の人だかり、というほどではありませんが、20-30人ほどがロビーで切手を購入しておりました。また、その傍らには10人ほどの列が出来ており、どれどれと思って見てみると、ジャン=ルイ・ドゥブレ憲法院長が台紙付切手にサインをしているではありませんか。ということで、私もサインしてもらいました。院長は元下院議長という政治家ですので、この手のパフォーマンスはお手の物なのでしょうか。

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 憲法院は他にもこの50周年を機に様々な行事や新しい試みを行っています。昨秋にはホームページのリニューアルや、記念のシンポジウムが開催されました。また、面白いのは、憲法院の1958年から83年までの重大事件の評議を取りまとめた書籍が出版されるということです。通常、裁判所(もっとも、憲法院は裁判所とは言えませんが…)での事件の評議は秘密とされており、日本でも同様(裁判所法75条)ですが、フランスでは2008年7月15日の法律により、すべての裁判所について、25年経過後に評議の記録を公表することとされたということです。上記書籍はこの法改正を受けたものです。日本でも裁判員制度との関係で、国民とのコミュニケーションに対する裁判所の姿勢は大きく変わったようにも思いますが、フランスの裁判所(憲法院を含めて)も日本とはまた違った多様なやり方でコミュニケーションを図っているように見えます。

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