SSブログ

モンマルトルのワイン収穫祭

 10月10~12日は、モンマルトルで恒例のワイン収穫祭があると聞いて見に行ってきました。今住んでいるところは、モンマルトルの丘のふもとのふもととでも言えるところなので、延々と坂や階段を上って15分から20分ほど歩くと、いかにもモンマルトルという雰囲気のあるエリアにたどり着きます。
 さて、このワイン収穫祭ですが、モンマルトルに1か所だけあるぶどう畑の収穫祭ということで、今年で75回目だそうです。とはいえ、畑は1か所だけで、しかもちょっとしたグラウンド程度の広さなので、そこで収穫されたぶどうからできたワインをみんなに振舞って…というものではなく、各種のイベント(パレード、映画祭など)を見たり、立ち並ぶ各地の物産のスタンドを冷やかしたり、という感じです。今回は、イベント見物はすべてパスして、界隈を散策したり、スタンドでワインを試飲したりしました。スタンドは、基本的にはフランス各地のワインや食品の販売をしているのですが、無料試食・試飲をさせてくれるところもいくつかあり、回ってみる価値はあります(詳細は下記フランス政府観光局サイトへ)。
http://jp.franceguide.com/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%AB%E3%81%AE%E3%83%96%E3%83%89%E3%82%A6%E5%8F%8E%E7%A9%AB%E7%A5%AD-10%E6%9C%8810-12%E6%97%A5%E3%81%AB%E9%96%8B%E5%82%AC.html?nodeID=1&EditoID=198646
DSCN2342.JPGDSCN2343.JPG


 ところで、肝心のモンマルトル産ワインですが、生産量からして貴重品なので、無料で振舞うとなどということは思いもよらず、テルトル広場(絵描きの一杯いるあの広場です)の一角にある街づくり団体のオフィスなどで販売されています。ただ、収穫祭限定ということで、時間を決めてグラス売りもしていました。話題性からしてお土産にはぴったりかと思ったのですが、500mlくらいのやや小ぶりの瓶で40ユーロということなので、残念ながら購入は今後の課題ということになりました(こちらではフルボトルで3-4ユーロで日常用としては十分おいしいワインが買えるので、40ユーロは相当な高級ワインに感じます)。
 そして、このワインの原料のぶどうを作っている畑ですが、サクレ・クール寺院やテルトル広場の裏手にあります。実は、この辺りを散策して一度帰宅してから、この畑のガイド・ツアーがあることを知り、電話で予約をして翌朝もう一度出かけたのでした。
DSCN2333.JPGDSCN2377.JPG
 ガイド・ツアーでは、20名ほどの人を前に、管理の責任者の方が説明をしてくれました。パリでのワイン生産はガロ・ロマン時代、ローマ帝国のキリスト教化に伴いパリの辺りもキリスト教化された頃にまで遡るそうです。その後、19世紀に至るまでモンマルトルの辺りでも盛んにワインが生産されていたそうですが、19世紀には都市化によりパリ市街地がモンマルトル辺りにも及んできたこと、交通の発達によって他地域のワインが流入したこと、ぶどうの病気が流行したことなどによってモンマルトルのワインづくりは衰退しました。1930年代になって、モンマルトル在住の有志によって1ヘクタール強のぶどう畑を再興し、今に至っているということだそうです(この収穫祭が75回目だそうなので、当初から開催されていたということなのでしょうね)。ちょっとしたグラウンド程度の広さの畑なので、見て回るというよりは詳しい説明を聞くのが中心です。それは興味深くてよいのですが、この手のツアーにつきものの試飲はないので、5ユーロという料金は微妙なところです。
 ここで造られたぶどうは、パリ18区内で醸造され、生産されたワインの売上は、社会福祉のために寄付されるということです(この畑の管理やワイン生産はパリ市が関与しているようです)。今回は試飲すらできなかったのでこのワインのお味の方は不明ですが、ガイドしてくれた責任者の方は、この方が着任した95年、96年頃と比べてぶどうの質はずいぶん良くと胸を張っていました。

DSCN2380.JPG
 ぶどう畑のすぐ脇にあるバス停も「レ・ヴィーニュ(ぶどう畑)」。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。