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図書館いろいろ

 明けましておめでとうございます。フランスでは正月独特の雰囲気というのは感じられず、クリスマス休暇の余韻はあるものの、1日の祝日が終わると社会はいつもどおり動き出した感じです。今年最初の話題は、昨年2月から強化された禁煙措置が、1日からバーやレストラン、ディスコなどに対しても適用されるということ(2006年11月15日デクレ第5条参照)で、ニュースではこれが大きく取り上げられています。
 日本でもそうですが、年末年始で困るのは、図書館が長期にわたって閉館してしまうことです。私が普段使っているのは、法学専門図書館であるキュジャス(Cujas)図書館ですが、12月22日限りで休みに入り、また、日本語の文献を読むときなどに出かける日本文化会館の図書室も同じ頃に休暇に入ってしまいました。新年は3日か4日から開館するのですが、その間どこに行くのかが問題になります。

 真っ先に思いつくのは、ポンピドゥ・センター内の公共図書館です。同センターはその独特な外観と、国立近代美術館が入っていることで観光的にも有名ですが、実は図書館というもう一つの顔も持っているのですね。実際、図書館に入館するためには、大道芸で有名な正面広場側ではなく、裏側の地味な入り口に回る必要があります。
 この図書館は、図書・雑誌のみならず視聴覚資料にも力を入れていることでも有名で、館内の端末で各種映像資料がみられる(はず(試したことがないのですが))のほか、「世界のテレビ」と称するコーナーでは、設置してある10台ほどのテレビでヨーロッパを中心に各国の公共放送が見られます(中国のテレビはありますが、NHKはなし)。
 法学関係の資料も結構充実しており、近年のものについてはたいていのものが所蔵されているようです。また、法学関係の雑誌も主なものは入っています。ほぼ全てが閉架式のキュジャス図書館とは対照的に、こちらは開架式の図書館なので、実際に手にとって見られるのがいいところです。
 この図書館は、クリスマスも正月もなく、ほぼいつもどおり(若干の時間短縮あり)淡々と開いておりなかなか優秀です。もっとも、今年は12月25日と1月1日は火曜日で定休日でした(火曜日でなければ開館していたはず)。
 ただ、問題は、件の地味な入り口で手荷物検査をしており、それに時間がかかるため入館するのに長蛇の列ができることがしばしばあることです。写真のような状態だと、30-40分ほど待たなければなりません。

 この寒空のなか図書館に入るのに並ぶのもばかばかしいと思う場合は、自宅から徒歩5分ほどのパリ市立ドゥルオー(Drouot)図書館に向かいます。「ドゥルオー」と聞いてピンと来た人は相当の通(何の?)でしょう。ドゥルオーとはパリ9区の通りの名ですが、この通りにあるドゥルオー会館(Hôtel Drouot)は古美術品などの競売場として名高く、付近には古書や古美術品、収集用切手を取り扱うお店が立ち並びます。これについては鹿島茂『子供より古書を大事と思いたい』『それでも古書を買いました』あたりのご参照を請うとして、このドゥルオー会館にもまた別な顔があり、パリ市内各所に数多くある市立図書館の一つが入っているというわけです。なお、同会館には日本の簡易裁判所に相当する小審裁判所(tribunal d'instance)や保育所も入っており、実は多目的会館なんですね。
 図書館の方はと言えば、図書館というよりは図書室という趣の小さな施設で、利用者も新聞や雑誌を読みに来た近所のおじさんおばさんが多いような印象です。蔵書も近隣住民のニーズを想定したものが中心で、法律関係についても、専門的な書籍というよりは、暮らしの法律風な書籍ばかりで、手持ちの文献を持って読みに行くという場合に利用しています。他方、旅行ガイドと語学テキスト関係の充実ぶりは特筆すべきものがあり、活用できそうです。700冊あるという語学テキストは、フランス語、英語に限らず、ヨーロッパ各国語及びアラビア語のほか、日本語及びそれ以上にマイナーな言語のテキストも置かれており驚かせられます。
 こちらの図書館は開館日(日月祝は休み)・時間(曜日により10-18時又は12時30分-18時30分)ともやや短めなのですが、並ぶこともなく気軽に利用できるのが利点です。

ドゥルオー会館(図書館の入り口は写真右手奥)

 

 


 


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